■航空機チタン合金(Ti-6Al-4V,Ti-17合金,Ti-5553合金,Ti-6246合金)合金の高温変形・組織変化の基礎的理解とFEMと併せた組織予測・材質予測モデルの検討
Ti合金は比強度特性に優れ,航空機用を中心として広く実用化され,耐熱性が要求されるエンジン部品では耐クリープ特性に優れるTi合金が使用され,ラメラ(針状)形態になるように組織調整され,また疲労特性や強度を重視する部品では微細なbimodal形態となるように組織制御される。ここでは,熱間加工と熱処理の組合せで部品形状への成型と組織調整が施されている。Ti合金は積層欠陥エネルギーが鉄鋼などと比較して高く,そのために高温変形過程では動的回復が活発に起き,微細組織形成などの組織制御が困難である問題がある。そのため実用的には出来るだけ加工温度を下げて,加工量(ひずみ量)をとり連続動的再結晶を活性化させて,微細で均質な組織制御を施す。これらを高度にプロセス制御するためには,Ti合金の高温変形挙動・組織変化の理解とともに予測モデルの構築・進展が必要不可欠である。ここでは,航空機Ti合金における熱間加工プロセス(高温変形過程)の最適な組織・材質予測モデルの構築に関する研究を行っている。
文献) 例えば
・H.Matsumoto et al., J. Alloy Comp., 708 (2017) 404-413.
・H Matsumoto et al., Sci. Tech. Adv. Mater., 18(1) (2017) 893-904.