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松本研究室では航空機チタン合金の研究開発を行っております。

創造工学部材料物質科学コース

〒761-0396香川県高松市林町2217−20

航空機チタン合金の熱間加工(鍛造)と組織形成の実験的評価と組織予測・材質予測モデルの検討 -物理冶金モデルの高度化および機械学習の援用-RESEARCH2

   ■航空機チタン合金(Ti-6Al-4V,Ti-17合金,Ti-5553合金,Ti-6246合金)合金の高温変形・組織変化の基礎的理解とFEMと併せた組織予測・材質予測モデルの検討
  Ti合金は比強度特性に優れ,航空機用を中心として広く実用化され,耐熱性が要求されるエンジン部品では耐クリープ特性に優れるTi合金が使用され,ラメラ(針状)形態になるように組織調整され,また疲労特性や強度を重視する部品では微細なbimodal形態となるように組織制御される。ここでは,熱間加工と熱処理の組合せで部品形状への成型と組織調整が施されている。Ti合金は積層欠陥エネルギーが鉄鋼などと比較して高く,そのために高温変形過程では動的回復が活発に起き,微細組織形成などの組織制御が困難である問題がある。そのため実用的には出来るだけ加工温度を下げて,加工量(ひずみ量)をとり連続動的再結晶を活性化させて,微細で均質な組織制御を施す。これらを高度にプロセス制御するためには,Ti合金の高温変形挙動・組織変化の理解とともに予測モデルの構築・進展が必要不可欠である。ここでは,航空機Ti合金における熱間加工プロセス(高温変形過程)の最適な組織・材質予測モデルの構築(従来型の物理モデルに加えた機械学習、結晶塑性有限要素解析)に関する研究を行っている。

 文献) 例えば
 ・H.Matsumoto et al., "Mesoscale modeling of dynamic recrystallization, processing map characteristic, and room temperature strength of Ti-6Al-4V alloy forged in the (α+β) region", J. Alloy Comp., 708 (2017) 404-413.
 ・H. Matsumoto et al., "Forging property, processing map, and mesoscale microstructural evolution modeling of a Ti-17 alloy with a lamellar (α+β) starting microstructure", Sci. Tech. Adv. Mater., 18(1) (2017) 893-904.
 ・H. Matsumoto, "Globularization and recrystallization of a Ti-6Al-2Sn-4Zr-6Mo alloy under forging in the (α+β) region: experiment, phenomenological modeling and machine learning", ISIJ int., 61(3) (2021) 1011-1-21.
 ・H.Matsumoto et al., "Strength and Ductility Balance of a Ti-5Al-2Sn-2Zr-4Cr-4Mo (Ti-17) Alloy with Various Microstructures: Experiment and Machine Learning", ISIJ int., 61(2021) 2844-2854.
 ・松本洋明:航空機用チタン合金の熱間加工特性および有限要素解析(FEM)を併せたマクロ
メゾスケール組織・材質予測,軽金属 70 (2020) 562-569.
 ・松本洋明:航空機用チタン合金の熱間鍛造とマクロスケール組織分布予測・有限要素解析、日本塑性加工学会誌ぷらすとす 4 (2021) 23-28.
 ・H.Matsumoto et al., "Crystallographic rotation behaviour of Ti-6Al-4V alloy with a <10-10> fiber texture component under hot isothermal uniaxial forging through experiment and crystal plasticity finite element analyses", Materialia, 30 (2023) 101839.

■機械学習(多様なアルゴリズムから最適化)を駆使した組織・材質予測モデルの構築
  予測アプローチの中でニューラルネットワーク(NN)は入力層,中間層,出力層の各々にユニットと呼ばれる非線形演算子を配置し,ユニット間で重み係数を最適化して,複雑に相関する現象を表現・予測する手法である.“データマインイング”の概念にてこれは最適な予測値を導出する手法で,それ自体はブラックボックスで,物理的意味を考察する事は困難である.一方で複雑な加工条件において高精度に材質予測する物理冶金モデルも発展途上であり,これらが最適に連成するモデルの検討も必要となる.本研究では物理冶金モデル・ニューラルネットワークを併用・融合したTi合金鍛造材の組織・材質予測を行っている.


  

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