第四回DV-Xα夏の学校が終了いたしました。今年は、兵庫県立先端科学技術支援センターで行われました。斬新なデザインとおしゃれな雰囲気のとても素晴らしい建物の中で、贅沢な気持ちで4泊5日の夏の学校を終えることが出来ました。また、夜の学校(懇親会)は、4日間とも全員の方に参加していただき、昼夜を通して、じっくりと量子材料科学についての議論を行うことが出来ました。参加者の皆様は、大変お疲れ様でした。
主催
DV-Xα研究協会(HP)
協賛(予定)
 錯体化学会(HP)
				社団法人日本金属学会(HP)
				社団法人日本鉄鋼協会(HP)
				社団法人日本表面化学会(HP)
				社団法人電気化学会(HP)
				
				
				社団法人日本原子力学会(HP)
				社団法人日本材料学会(HP)
				
				
				
				日本高圧力学会(HP)
				日本結晶学会(HP)
				日本鉱物科学会(HP)
				
				炭素材料学会(HP)
				
				
				日本希土類学会(HP)
社団法人日本化学会 ほか
対象
大学院生と若手研究者(26 名以内)
日時
平成21年8月17日(月)午後1時から21日(金)正午まで(4泊5日)
場所
兵庫県立先端科学技術支援センター(HP)
				〒678-1205 兵庫県赤穂郡上郡町光都3丁目1-1(場所はこちら)
				電話:0791-58-1100
				JR相生駅からバスで約25分
				JR姫路駅からバスで約1時間、など
				(アクセスについては、こちらをご覧下さい(HP))
				(SPring-8のアクセスページが参考になります(HP))
講師
足立裕彦、那須三郎、森永正彦
内容
1.序論
				
				
				2.原子構造理論と電子状態計算の実習
				
				
				3.分子軌道論と簡単な分子の軌道計算
				
				
				4.金属錯体の電子状態計算と化学結合論
				
				5.セラミックス、金属材料の量子化学
費用
参加費(宿泊費、資料代込み)
				(食事代は実費となります)
				
				学生 35,000円
一般 50,000円 (DV-Xα研究協会又は協賛学協会の正会員)
				60,000円 (非会員)
※計算実習を行うので各自パソコンを持参のこと。
平成21年8月7日(金)
				宿泊施設の都合で、先着20名までで締め切らせていただきます。
				また、準備の都合がありますので、できるだけ早く
				申し込んで頂けましたら幸いです。
申込先
〒520-0016 滋賀県大津市比叡平3丁目53-12
				DV-Xα研究協会事務局
				Tel & Fax: 077-529-0374
				e-mail: dvxa@e-mail.jp
				申し込みは、メールでお願いします。
問い合わせ先
〒761-0396 香川県高松市林町2217-20
				香川大学工学部材料創造工学科
				石井知彦
				Tel & Fax: 087-864-2414
				e-mail: mail@tishii.com
第四回夏の学校「量子材料科学セミナー」実施報告
香川大学工学部 石井知彦
																																				 DV-Xα研究協会では、毎年夏に、若手の研究者と大学生・院生を対象とした夏の学校「量子材料科学セミナー」を開催しています。2006年に第一回目の夏の学校を下呂温泉で開催して、その後2007年には淡路島、2008年には関西学院千刈キャンプ場と続けてきて、今年で4年目になりました。なかなか大勢の方に参加していただくというわけにはいきませんでしたが、それでもコンスタントに毎年20名程度の規模で夏の学校を続けることが出来ました。
																																				
																																				
																																				 この夏の学校をご存じない方のためにご説明いたしますと、この夏の学校では内容がDV-Xα法の理論や応用に偏るということはなく、全般を通して量子材料科学の基本をじっくりと学ぶためのスケジュールが組まれています。足立裕彦先生が作成された教科書は12章と付録15章から構成されていますが、森永正彦先生の講義を含めておおよそ5日間の夏の学校の期間内で全てを網羅できるようなカリキュラムになっています。
																																				
																																				
																																				 他にも、パソコンを用いた計算実習の時間がたっぷりと盛り込まれています。足立先生の教科書は付録も充実しており、角運動量・Noumerovの方法・DIRACFGの使い方・分子の対称性・軌道の混成・分子軌道計算の実際・電子分光・イオン結晶中の静電場・原子間距離・原子軌道の重なり積分・スピン分極・Xα法における交換ポテンシャル・原子核近傍の電子構造、LagrangeおよびHamilton方程式、摂動論、なども詳しく学ぶことができます。大学の授業や研究室での議論は、どうしても物質も現象も限られていて、狭い知識しか学ぶことができないのですが、年一回のDV-Xα研究会では、幅広い物質と現象が議論されるため、広く(浅く)知識をつけることができます。それに加えてこの夏の学校では、あらゆる物質や現象に共通する量子材料科学とその電子論を基本から学ぶことができるため、個々の独立した知識を互いの関連性と結びつけながら理解を深めていくことができます。しかも5日間というある程度まとまった期間で集中的に学習できるため、効率よく、あらゆるジャンルの知識を身につけることができます。もしも独学で教科書を読んでいたら半年や一年かかってしまう内容が、5日間という短期間で集中して勉強できるということが最大のメリットです。
																																				
																																				 さて今年の夏の学校は、兵庫県立大の村松康司先生からご紹介を頂き、「兵庫県立先端科学技術支援センター」という場所で行いました。ここは、もともとSPring-8と密接な関係のある建物で、SPring-8で実験研究を行っている方の一時的な宿泊施設という目的の他、近隣の方々の文化交流やセミナーなどに主に使用されています。公共の施設なので、宿泊も会議室もとても安く借りることが出来ます。しかも、建物のデザインがとてもおしゃれな作りになっていて、建物全体が一流のデザイナーの方が設計された上品な作りになっていました。周りには遊ぶ所など勉強の妨げになる誘惑は全くなく、5日間のセミナーに集中するには最高の場所です。昨年の千刈キャンプではアルコール類を一切持ち込むことが出来なかったために、その反動を受けて今年は、毎日セミナーが終わったあとの夜8時頃から12時過ぎまで、毎晩大宴会が開かれました。
																																				
																																				 参加者の方は皆さんとても若く、朝7時半の朝食、朝9時から夕方6時までのセミナー、そして夜8時から12時までの懇親会を5日間続けても何とか元気で頑張っています。そして毎年驚かされるのが、講師の足立先生が最もお元気だと言うことです。朝から晩までの講義を行い、夜の懇親会を遅くまで参加され、それを5日間続けても全く疲れを見せません。足立先生があと20年は夏の学校を開催していただけるものと信じ、私は今後もそのお手伝いをさせていただければ幸いと思います。
																																				
																																				 ところで、今年の4回目の夏の学校を終え、来年はいよいよ記念すべき5周年目に突入します。足立先生の教科書も年々パワーアップされており、ますます夏の学校も活発にしていきたいところです。第一回目にも参加され、今回も参加された三菱化学の上田さんとご相談させていただき、来年の2010年度の夏の学校は、いよいよ関東(近辺を含めて)にて開催したいと考えております。皆様、どうかご参加下さいますよう、よろしくお願いします。滅多に出来ない「暑い夏」を体験することが出来ます。まだまだ夏の学校をご存じない方は、是非一度、下記のホームページをご覧下さい。
																																			
こちらも併せてご検討下さい。