香川大学 工学部 材料創造工学科

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松本研究室 (Matsumoto lab.)

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Department of Advanced Materials Science, Faculty of Engineering, Kagawa University

2. 航空機用チタン合金の熱間加工特性・組織変化の実験的評価とシミュレーションによる評価・材質予測

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 航空機用などの複雑形状を有する部材への塑性加工は、素材中において温度、ひずみ量、またひずみ速度等に不均質性が生じ、それに伴い組織形態は部位に応じて異なってくる。そのため、部品中で機械的特性にばらつき等が生じ、大きな問題となる。
 最適な機械的特性を発揮するには、適切な組織形成を実現する必要があり、本研究では複雑形状への塑性加工(鍛造・プレス成形)で生じるこれらの不均一性に対応した
組織形成の予測モデルを構築するとともに、より均質で最適な組織形成を実現する加工条件の最適化を目指す。
 
 例えば、下図は等軸な(α+β)組織を有するTi-6Al-4V合金の圧縮鍛造後のFEM解析結果を示しており、ひずみや温度が不均一に分布することが理解できる。図の下部は実験データをベースとして構築されたJMAKモデルやZ因子を用いて導出された動的再結晶粒径の分布やβ分率を示している。これより、圧縮鍛造のシンプルな加工においても、粒径の値は不均質となる事が観察できる。

 
今後は、体系的かつ詳細な組織評価(実験)を行いながら、それをベースとして、活動する組織変化機構(DRV, CDRX, DDRX)を考慮しながら、FEM解析を組合わせた最適な組織形成モデルの構築を行う事を目指す。