安全の手引き

安全の手引き

ものづくり工房における安全

ものづくり工房は,工学部の共用施設であり,ものづくり技術者を育てるための実践的な教育及び先端的な研究を行うことを目的とする施設である.本施設の目的ならびに使用については,付録の「ものづくり工房内規」及び「ものづくり使用細則」として制定されている.ものづくり工房内の各部屋・スペースの使用に際しては,各部屋・スペース毎に別に定める「部屋・スペース使用規則」を厳守しなければならない.

本安全の手引きは,学生実験や演習において関係するであろう装置・機器を対象としている.
したがって,使用が厳しく制限される機器に対する安全については,各部屋・スペースで別に定められる安全の手引きに従わなければならない.

1.一般的心得
(1)施設の特殊性
ものづくり工房では,使用を許可されたものが,特定の場所で,特定の時間・期間にわたって使用することになるが,同一時間に複数のグループが,お互いの活動内容を知らずに1階,2階の各部屋・スペースで活動することが考えられる.このような時に事故,火災が発生する場合には,当人以外のものを巻き込んだり,巻き込まれたりする恐れがあるため,安全には特に気をつけることが必要である.特に,職員の勤務時間外である夜間及び休日はもちろん,職員の勤務時間内であっても,職員が不在となるときには,一層の注意が必要である.

(2)安全パトロール
ものづくり工房の運営組織であるものづくり工房運営委員会は,ものづくり工房内規第6条に従い,ものづくり工房内での安全の確保・維持を図るため,定期的に安全パトロールを実施し,問題箇所に対する是正措置・指導することを義務付けられている.したがって,使用者は,使用後の清掃はもちろん,作業時おいても整理・整頓に留意し,日頃より安全に気をつけることが必要であり,安全パトロールによる是正措置・指導あった場合には,速やかにその指導に従わなければならない.
(3)事故・火災時の対処
各部屋・スペース壁に貼られた対処方法に従って,事故・火災への対処,関係部署への連絡を行うこと.
(4)防災・防塵
火災の原因となる火気の使用には十分注意し,指定場所以外での使用は禁止する.煙草についても,指定された場所以外での喫煙は禁止する.
 2階には,電子デバイスの作成室等があり,防塵の効果をあげるため,2階入口にて指定の上履きに履き替えること.
(5)セキュリティ
勤務時間以外での各部屋・スペースのセキュリティを確保するために,監視カメラによる無人監視と窓・扉の開閉監視を行う.勤務時間外に窓・扉が開けられた場合には,1階については,侵入者に対する警報等の措置,2階については,開け放し防止の措置が行われるので,不必要な開放は行わないこと.
2.機械・材料工房(機械加工セクション)
2.1 一般的注意
(1)作業服および保護具
(i)機械に巻き込まれたり,作業台上の重量物を引っかけて落としたりすることのないように,作業服には体にぴったり合った軽快なものを選ぶ.また,大きなポケットのないものがよい.
(ii)作業服のほころびは繕い,作業時にはそで口をしめ,上着のすそをズボンの中に入れる.ネクタイ,手ぬぐいなどを体のまわりでひらひらさせないようにする.
(iii)可動部,回転部のある装置の付近で作業するときには,頭髪が巻き込まれることを防ぐために,作業帽を着用する.頭部の傷害が懸念される場合には安全帽を着用する.
(iv)サンダル,スリッパは絶対に使用しない.思わぬ大きなけがを招くことがある.安全靴着用の指示がある場合には,安全靴を履いて作業する.
(v)回転部,高速運動部のある装置を取り扱うときには,手袋を使用しない.事故が起きた場合,手袋に引きずられて機械に巻き込まれる恐れがある.
(vi)油や引火性溶剤のしみこんだ作業服は火事の原因となるので,作業服は清潔にしておく.
(vii)引火性のあるもの,とがった刃物状のものをポケットに入れない.
(viii)危険が予想されるときには,その作業に適した保護具を使用する.切り屑や粉じんなどが飛散する場合には,防塵めがね・マスクを着用する.
(2)整理整頓と災害防止
整理整頓し,作業能率向上,事故防止を図る.安全な通路が常に確保できるようにする.
(i)すべての物の正しい置き場所と置き方を定める. (ii)使用者全員が協力して常に最良の状態に保つよう管理する. (iii)機械・器具・工具の置き場と通路を区画する.機械間に設ける通路は幅80cm以上とすること.
(iv)作業者が多すぎて,作業の安全や能率を阻害してはならない.
(v)器具を積みすぎたり,不安定・不注意な置き方をしてはならない.
(vi)作業のための活動範囲にある床上・中吊りの障害物は取り除くこと.
(vii)加工材料・工具等は足元に置かず,台上に置くこと.
(3)工作機械使用における一般的注意事項
(i)機械・装置の点検
 まず機械の状態を点検すること.スイッチを入れる前に,ハンドル・ボタン・レバー位置などの操作部を調べた後,空転させてみて異常のないことを確認する.音にも注意すること.
(ii)工具の選定
 刃物・砥石は使えば切れなくなる.いつもよく切れるものを使うべきである.
(iii)加工条件の選定
 切削条件を,手引き・指導教官の助言・推奨表などによって選ぶ.推奨条件範囲の中で,軽い条件からはじめ,切削状態を確認しながら重い条件に変えていく.
(iv)加工直前の確認事項
(a)機械には,作業中ゆるめておくべき部分と締めつけておくべき部分がある.その状態を確認する.スパナ・レバー・ハンドルを突込んだままにしておくと,運転開始のとき危険である.
(b)刃物・加工物を確実に取り付ける.大きさの小さいもの,掴みにくいものは特に念入りに行う.回転体では偏心とバランスが重要である.
(v)操作における注意
 (c)操作は確実に行う.操作中,異常を発見したときは直ちに運転を止め,職員に連絡して措置する.びびり出したら(振動・異常音の発生),作業を中止して,原因を調べる.切削条件を安定側の条件(例えば,切削速度・切込み量の削減,刃物・加工物の取り付け方法の改善など)に変更する.
(vi)加工中の注意事項
(a)回転しているものには,絶対手をふれぬこと.手袋の使用は厳禁である.
(b)不自然な姿勢で操作してはならない.よろめくと危険である.
(c)切削箇所を加工中にのぞき込むことは危険である.
(d)切削中,工作物,切屑は高温になるので,やけどと切傷に注意.切屑などが機械・刃物・加工物にからんだら,必ず機械を止めて取り除く.取り除くときは,ペンチなどの工具を使い,素手では絶対に行わないこと.
(e)研削作業で出る火花は高温の切屑である.
(f)加工物の寸法測定は機械を止めて行う.
(g)停電したときは,まずスイッチを切り,ついでベルト・クラッチ・送り装置を遊びの位置に移す.切込んでいる刃物を離す.
(vii)高速回転体の回転面上に立たない
 高速で回転する工具(砥石など)が破壊した場合,その回転面上に破壊した工具や工作物の破片が非常な高速で飛び散る.高速回転体の回転面上では,これらの破片の直撃を受けて大事故を招く恐れがあるので,絶対に回転面上で作業をしない.
(viii)機械・装置ならびに周囲に気を配る
 担当する機械・装置に異常が生じた場合,それを速やかに感知し対処する必要があるが,周囲で発生する異常にも気づくように注意する.また,自分の行為で周囲のものに危険が生じないように配慮する.
(viiii)作業に集中する  作業中はふざけたり雑談をしない.また,作業中その場を離れず,作業に関係の無い場所へ立ち入ったり他の機械や装置に触れない.
(x)機械の停止  機械を止めるとき,惰力で回転しているものを無理に止めない.特に手足,工具,棒で止めることは危険である.また,切削中,刃物を切込んだままで機械を止めず,必ず引き離してから停止させる.
(xi)職員の指示に従う
 機械・装置の使用にあっては,その操作法を熟知し,もし不明な点があれば職員の指示に従い,決して勝手な操作を行わない.また,使用中,異常振動や異常音などに気がついた場合には速やかに装置を停止し,職員に連絡する.
(xii)使用後のかたづけと作業終了報告
 作業終了後は,工具を取り外すとともに,機械や装置の周辺を掃除・整頓し,全ての電源などを確実に落とし,作業の終了報告を行う.

2.2 汎用工作機械における注意事項
(1)旋盤
(i)長い加工物を切削するときは,振れ止めを用いる.チャック仕事では,まず心押センタで受ける.
(ii)切屑が飛散する材料の切削にはカッタ部分を囲うか,保護メガネをかける.
(iii)心押台を使用しないときは,ベッドの端に置くか,取り外しておく.
(iiii)バイトは作業に支障のない限り,できるだけ短く取り付ける.バイトの取り換えは運転中に行ってはならない.
(v)作業中のぞきこまぬこと.必要なとき以外はできるだけ作業点から身体を遠ざけておく.
(vi)切屑や切削油を飛散させないこと.必要に応じて,防護カバーをし,あるいは衝立を使用する.
(vii)ブラシなどで切削油を注油するときは,巻込まれないよう注意する.
(viii)荒削り面に手をふれぬこと.手袋の使用禁止.
(viiii)油砥石をかけるとき,または,ペーパーをかけるとき,身構えに十分注意し,砥石や手を外さないようにする.

(2)フライス盤
(i)機械のテーブルの上に工具,材料,製品,布片等をのせない.
(ii)切屑が飛散する材料の切削にはカッタ部分を囲うか,保護メガネをかける.
(iii)カッタに袖口を巻き込まれないようにする.
  カッタの注油は上から行う.
  切削中は切粉に手を触れない.
  回転中の刃物軸(アーバ)ごしに手をのばして工具を取らない.
(iiii)切屑は手にささり易いので注意する.けがき線を見ようとして切屑を指先で払ってはいけない.ブラシを必ず使う.
(v)早送りは特に注意する.(早送りを止めてもテーブル送りは動いている.)
(vi)測定は必ず回転を止めてから行う.

(3)帯鋸盤
(i)鋸刃の張りが適切であること,亀裂・刃こぼれの無いことを確認してから使用すること.
(ii)素材は確実に固定する.短い素材では固定が不完全になりやすいので,バイス面の他端に調整具を挟むなどしてしっかりと固定する.
(iii)調整・素材の取り付けなどは,機械を停止させて行う.
(iiii)運転の際には,鋸刃に手を近づけない.
(v)鋸刃の交換時以外は手袋の使用を控える.
(vi)工作物の材質,厚さ,鋸刃の幅を考慮して切削条件を選定する.工作物を円弧切削する場合には,円弧の大きさに応じて,鋸刃の幅を選定し,切削すること.

(4)ボール盤
(i)ドリルをしっかりとチャックに取り付ける.
(ii)ドリル先端がふれ回りをしている状態で作業をしてはならない.ドリルをつけ直すか,ドリルを取り換える.
(iii)よく切れるドリルを使用する.切れないと,押付け力が大きくなってドリルが折れる.
(iiii)小片を手に持って穴あけすることは避けること.バイスで工作物をつかみ,バイスの一端をコラムに当て,振り回されないようにすること.
(v)材料が振り回されるのは,穴あけ終了時とドリルを抜くときに多い.薄板に穴をあけるときは,木片を下に敷き,一緒に穴あけするとよい.
(vi)ドリル回転中に切屑を手で払わない.手袋の使用を禁止する.頭髪や衣服が巻き込まれないように注意する.
(vii)適当なドリル形状,周速度,1回転当たりの送り(したがって送り速度)などは作業条件推奨表などを参照して選定する.
(viii)ドリルに付いた切り屑は,素手で取り除かない.

(5)グラインダ
(i)砥石が破壊した場合に重大な事故となるため,砥石の回転面に立って作業しない.
(ii)回転中の砥石に手を出さない.小さい工作物を加工する場合には,治具などで工作物を保持する.
(iii)工作物を受け台に接触させて加工する.
(iiii)砥石の側面を用いない.
(v)加工後の工作物は高温になるため,加工面を直ちに手で触れず,十分冷却させる.


(6)板金切断機
(i)板押さえよりも奥には手を入れない。指を奥に入れると切断の危険がある。
(ii)足踏み式のため力の加減が難しい事を良く認識すること。危険を認識しても、切断を途中で止める事は非常に難しい。
(iii)小物部品を切断するときには、板に貼り付けるなどして、切断刃と手指の間隔を広く取る。
(iiii)切断するときには近くに他人を近づけない。周囲を今一度見渡し、切断する旨を声を出して通知する.
(v)作業は必ず一人で行うこと。使い終わったら足踏ペダルにチェーンを掛け、固定する.


(7)板金折曲機
(i)指を挟まないように気をつける。
(ii)徐々に力を入れて折り曲げる。無理に曲げようとしない。
(iii)折り曲げるときには、周囲に注意して安全を確認する。


2.3 NC工作機械における注意事項
(1)全般的注意
NC工作機械には多くの種類があるが,全体に共通する注意事項を挙げておく.
(i)加工物等の取り付けは確実に固定する.
(ii)工具の取り付け状態および配置をチェックする.
(iii)原点オフセット設定値・工具オフセット設定値あるいは原点設定値・工具長補正等の設定値の確認をする.
(iiii)運転に際してはプログラムを入念に点検し,加工手順を確認する.
(v)初品加工の際はプログラムの点検のみならず,動作チェック・各部の干渉チェックを含めて
[空運転]→[シングルブロックでの切削〕→[連続運転]と順次行う.
最初から連続運転を行うことは禁物である.
(vi)切削中は切屑・切削液、場合によっては折れた工具などが飛ぶ場合があるので,前面カバーを必ず閉め,安全な位置に離れる.
(vii)運転中,操作者は異常があれば直ちに非常停止ボタンを押して停止できるような態勢で注意深く動作を監視し,周囲の者もテーブルの移動範囲内や主軸の回転面内に入ってはならない.雑音電波等の影響で突然異常な動作をする可能性がある.
(viii)必要に応じて,オーバーライドで送り速度や主軸回転数を加減して無理な切削を避け,また微調整にはパルスハンドル等を活用する.
(viiii)操作は単独で行うのが基本である.やむを得ず2名以上で操作する必要のあるときは,互いに充分確認し合って扱う.
(x)機械の点検・清掃・切屑の除去等は運転中に行わないで,必ず機械を停止してから行う.

(2)NCフライス盤
(i)加工プログラムが正しく書けているかの動作確認を行うため,NCフライスのZ軸上で工具と工作物の距離を十分とって事前動作させること.
(ii)工具および工作物を確実に固定する.
(iii)回転中の工具や駆動中のテーブルには手を出さない.
(iiii)作業中に切り屑が飛来する場合には,遮断版などで防ぐ.
(v)作業中は加工が正常に進んでいるかを常に確認し,異常が生じた場合には速やかに非常停止ボタンを押せるよう,装置の近くの安全な場所にいること.


(3)NC旋盤
(i)加工プログラムが正しく書けているかの動作確認を行うため,NC旋盤のZ軸上で工具と工作物の距離を十分とって事前動作させること.
(ii)工具および工作物を確実に固定する.
(iii)加工を行う際には、防護扉を閉める事(扉を閉めないと加工開始が出来ない)
(iiii)テスト時に防護扉を開けて確認するときには、マシンロックを掛け安全に注意しながら行う事。
(v)作業中は加工が正常に進んでいるかを常に確認し,異常が生じた場合には速やかに非常停止ボタンを押せるよう,装置の近くの安全な場所にいること.


3. デジタル工房
3.1 全般的注意
(1)感電
本工房において使用する装置は殆どが電源電圧100Vまでの弱電機器であるが,内部に高い電圧を使用した危険箇所もある.また,弱電でも人体を通過する電流値,通過部位,通電時間によっては生命に関わる感電事故となる.例えば,我々の皮膚抵抗は乾燥時には数十kΩ以上あるが,濡れている場合は数百Ω以下に低下するので,100V電圧でも100mA以上の電流が流れ,感電死する場合がある.そのため,機器には漫然と触らないようにし,注意を怠ってはならない.
(2)電気火災
電気火災の主要原因は,電気機器や配線の加熱および漏電加熱である.前者の防止のためには,機器および配線の冷却に注意をはらう必要がある.後者は絶縁の破損や老朽,および接地の不備のため生ずる漏電電流によるものであり,絶縁物の吸湿,結露や塵挨の汚損等があると一層発生しやすくなる.そのため,絶縁抵抗の点検を行ない,絶縁物の乾燥と表面の活浄を保つようにすること.また,接地を確実にして,漏電電流を有機材料や木材などの可燃物に流さないことも必要である.加えて,電気接点の開閉や前述の静電気による電気火花も,引火性気体や可燃性物質の存在する場合には,火災あるいは爆発の原因となるので注意すること.
(3)工具類
工具類は使用前に欠陥がないか十分確認し,欠陥と考えられる場合は,担当者に通報するようにする.また,工具類は取り扱い方法に従い正しく取り扱い,本来の目的以外には使用しないこと.特にとがった工具については,自分や他人の身体に危害が加わらないよう注意する.置き場所に配慮することは勿論のこと,持ったまま急ぐことのないようにし,持ち運びには厳重な注意をすること.また,整理整頓に努め,使用後は,速やかに所定の位置に戻すようにする.
(4)測定機器類
測定機器等の精密機器は慎重に取り扱うこと.装置の取扱中には感電,漏電に注意しなければならない.そのため,測定器端子や電源コンセントの金属露出部分には,直接手で触れないようにすること.また,感電の他,錆び等による故障の原因にもなるので,濡れた手で実験を行わないこと.測定器や実験装置からの異常な発熱,発煙,臭いなどの異変・異常があれば,直ちに主電源を切り,事故を未然に防ぐことが必要である.配線ケーブル類をも含めて整理整頓を行い,使用後は所定の場所に戻すようにする.
 なお,電気電子系実験における安全についての詳しい内容は,工学部発行の安全の手引きの信頼性情報システム工学科の項などを参照のこと.

4.デバイス・材料工房
(1)感電等
デバイス・材料工房で用いる電源は主に100Vの電源であるが、一部には200Vの電源が配置されている。100V電源であっても不用意に接触すると大きな電流が体内を流れる場合があるので注意を要する。特に、濡れた手でコンセントなどを触ることは非常に危険である。また、200Vの電源や高圧電源を使用するときはより注意深く操作することを心がけること。
(2)ドラフト
ドラフト内で化学反応や薬品処理を行う場合には、必ずドラフトのファンを回転させて排気しながら操作を行うことが基本である。特に、揮発性の高い酸や引火性のある有機溶媒を用いる場合には全面の扉の開口を小さくしてそれらの薬品の蒸気が室内側に拡散しないようにする必要がある。また、薬品を使用して加熱処理・反応を行う場合は、それらの工程が終了するまで傍について様子を観察していることが必要である。ドラフト内には必要最小限のものしか置かず、整理・整頓した状態で実験を行うことが、不足の火災や事故を防止するための必須条件である。
(3)電磁石
電磁石は特に危険なものではないが、次のような注意が必要である。  (a) 電磁石では比較的強い磁場が発生するので、キャッシュカード、フロッピーディスクなどの磁気記憶媒体は絶対に近づけないこと。近づけるとデータが破壊される場合がある。
 (b) 鉄やニッケルなどの素材でできた工具や金属は近くに置かないこと。これらは磁場で吸い寄せられて飛んでいき、物を破損したり人に怪我を負わす場合がある。
 (c) 心臓のペースメーカーを使用している人は近づかないこと。
(4)真空装置
真空装置を用いる場合には、起動時の手順、停止時の手順を十分に確認した上で操作すること。さもないと、真空装置を破損するおそれがある。特に、拡散ポンプが水冷の場合には、冷却水を流した状態で拡散ポンプをONにし、また拡散ポンプをOFFにしてから十分時間を待った後に冷却水を止めること。
(5)計測機器等の取り扱い
 この工房にある計測機器は精密機器であるものが多いので、取り扱い・操作は丁寧に行うこと。使用に当たっては、取扱説明書を十分読んでから操作し、異常な使い方をしないこと。

5.先端工房1(RP室)
5.1 光造型装置
(i)光造型装置では,樹脂硬化用にレーザーを使用しているため,レーザーの使用法を遵守し,直接光源を見ないこと.メンテナンスなどにより,光源を見る危険性がある場合には,必ず専用の保護めがねを着用すること.
(ii)樹脂は有機溶媒を使用しているため,換気には十分気をつけること.作業中には,必ず換気扇及びエアコンによる換気を行うと同時に,1時間に5分程度はドアや窓を開放し,換気を行うこと.
(iii)光造型装置内部には高電圧源を有しているため,装置のメンテナンスなどで装置内部を見るときには,必ず主電源を切ってから行うこと.
(iiii)樹脂は直接人体に影響を及ぼすことは少ないが,硬化した場合取り除くことが困難なため,皮膚に触れたり,衣類につかないように気をつけること.万一,ついた場合には,溶剤で洗浄した後,十分に水で洗い流すこと.


6.先端工房2(回路製作室)(別記)

7.先端工房3(MBE室)(別記)






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