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研究紹介

アルミニウム合金の水素脆化挙動の解明

 自動車や航空機といった輸送機器では、金属材料が破壊することで重大な事故に繋がる恐れがあります。特に脆性破壊は、水素、つまり水のある環境や低温環境において外形の変化などが前触れもなく起こり、実用的に非常に危険です。
 本研究では、大型シンクロトロン放射光施設SPring-8において、破壊の様子を直接観察できるX線CTおよび金属材料の様々な情報得ることのできるX線回折コントラストトモグラフィー法を組み合わせたマルチモーダル3Dイメージング技術を開発し、高強度アルミニウム合金の水素による破壊挙動の解析に適用したところ、従来、定説とされていたメカニズムとは異なる真の破壊メカニズムを明らかにしました。
 最近では、原子の一つ一つが観察可能な顕微鏡を用いた3次元観察による詳細な解析も実施しています。

鉄鋼の相変態の3次元観察

 TRIP鋼は、外⼒が加わると⾦属組織の構造が変化する相変態というユニークな特徴を有しています。これは、フェライトに残留オーステナイトと呼ばれる準安定相を数⼗%分散させたもので、外⼒がかかると軟質な残留オーステナイトが硬いマルテンサイトに相変態するものです。これにより、TRIP鋼は優れた強度・延性バランスを有しながら、衝撃吸収能にも優れるため、次世代自動車用鋼板として期待されています。
 これまでの研究では、全体の挙動の解析しか行えなかったのに対して、我々のグループでは、個々の変態に着目して実験・解析手法の開発・研究を行いました。それにより、以前は鋼材の比較的広い領域の平均的な情報しか得られないために、最適なミクロ組織の設計指針を得ることは不可能でしたが、本研究により、個々の残留オーステナイト間の相互作⽤が直接可視化され、ミクロ組織設計の明瞭な指針が得られました。