偏差値

平成22年3月11日 更新

 このページでは、データのばらつきの程度や、データが突出していることを数学的に表すための方法である、偏差値について説明します。高校入試や大学入試などで、既に偏差値という言葉を聞き慣れているとは思いますが、具体的にどの様にして計算するのかを示します。実は、試験の成績だけではなく、身の回りで起こっている様々な現象や、物理・化学・工学その他あらゆる分野で重宝する数値です。

●例

 
A
B
C
1
学籍番号
数学の成績
偏差値
2
1
100
70.4
3
2
80
61.3
4
3
68
55.9
5
4
59
51.8
6
5
53
49.1
7
6
50
47.7
8
7
47
46.4
9
8
41
43.7
10
9
32
39.6
11
10
20
34.2
12
13
平均
55.0
14
標準偏差
22.1

●偏差値の算出の方法

 n個のデータx1, x2, x3, ..., xnがある時、i番目のデータxiの偏差値Tiは、次の式で求めることが出来ます。

ここで、μとσはそれぞれ、n個のデータx1, x2, x3, ..., xnの平均と標準偏差です。

●練習

 それでは、先ほどの例を用いて説明します。ここでは、10人の学生さんの数学の成績を例にとります。学籍番号1番から10番までの学生さんの成績が以下の通りだとします。まずは、これら10人の平均(B13セル)と標準偏差(B14セル)を求めます。エクセルでは、標準偏差を求める関数として、STDEVとSTDEVPの二通りあります。ここでは、全てのデータ(母集団、ここでは10人)が分かっているので、STDEVPの方を用います。

 
A
B
C
1
学籍番号
数学の成績
偏差値
2
1
100
3
2
80
4
3
68
5
4
59
6
5
53
7
6
50
8
7
47
9
8
41
10
9
32
11
10
20
12
13
平均
=AVERAGE(B2:B11)
14
標準偏差
=STDEVP(B2:B11)

 次に、各学生さんの成績の偏差値を求めます。ここで気をつけなければならないのは、最初の学生さんの偏差値(C2セル)を計算する式の中で、平均の値(B13セル)と標準偏差の値(B14セル)の座標を、絶対参照しなければならないと言うことです。つまり、セルの座標に、"$"マークを付けなければなりません。こうすることで、2番目(C3セル)、3番目(C4セル)・・・の学生さんにコピーした際に、正しく計算してくれます。

 
A
B
C
1
学籍番号
数学の成績
偏差値
2
1
100
=10*(B2-$B$13)/$B$14+50
3
2
80
4
3
68
5
4
59
6
5
53
7
6
50
8
7
47
9
8
41
10
9
32
11
10
20
12
13
平均
55.0
14
標準偏差
22.1

 この方法が、間違いが少なく、分かりやすい方法です。


 もしも、平均と標準偏差を求めずに、一気に一行で偏差値を求めたいのであれば、

 
A
B
C
1
学籍番号
数学の成績
偏差値
2
1
100
=10*(B2-AVERAGE($B$2:$B$11))/STDEVP($B$2:$B$11)+50
3
2
80

とすれば可能です。ブラックボックスになりやすいので、くれぐれも、参照するセルの座標と、"$"マークのつけ忘れにご注意下さい。

●参考

 その他、具体的な標準偏差やガウス関数、それらをエクセルで表す方法などについては、「ガウス関数」のページ(こちら)を参照してください。