ガウス関数

平成20年10月15日 更新

 このページでは、あらゆる物理量の基本となる正規分布:ガウス関数について説明します。このページの知識を用いると、電子の状態密度図を書いたり、p-DOSを書いたり、吸収スペクトルの位置の分布に幅をつけたりすることが出来ます。

●例

 を  に変換する。

(グラフの縦横比のずれは、本質的ではありません)。

●ガウス関数の基礎

例えば、ある学校(生徒数約750人)のテストの成績が、次のような
グラフで表されるとします(満点が100点で平均点が50点)。
このとき、x = 0からx = 100の範囲でこのグラフで囲まれた部分の面積が
750となります。

一般に、自然界で起こるあらゆる現象は、このような曲線で表されると
言われています。この曲線を正規分布、またはガウス関数と呼んでいます。
ガウス関数の一般式は、次のようになっています。

このグラフで囲まれた面積を1とするために、通常は、次の式のように
規格化します。

   (式1)

ここでμは平均、σは標準偏差(σ2は分散)を表します。μをゼロとすると

   (式2)

となり、y軸に対して左右対称の関数になります。
図1にσ = 1およびσ = 2の場合を図示します。


図1:ガウス関数(式2)。
σ = 1(細長い方)、σ = 2(幅広い方)。

x軸と囲まれた面積は、σの値によらず1となります。

   (式3)

●ガウス関数の数学的な特徴

(変曲点)

x = ±σで変曲点をとります。

   (式4)

(最大値)

x = 0で最大値hをとります。

   (式5)
ちなみに

なので,変曲点における高さは,最大値の約0.6倍です。

(半値幅)

 のとき、最大値の半分の高さ

   (式6)

になります。このときのx座標の左右の広がりの幅
を半値幅(FWHM)と呼びます。

実験などで半値幅が求められるならば

   (式7)

   (式8)

によって標準偏差を求めることが出来ます。

なので,半値幅を2.4で割れば標準偏差σが得られます。

●ガウス分布の確率


(図は,こちらから引用しました)

ガウス分布は確率を表します。

   (式9)

   (式10)

-σからσまでの範囲
68.3%
-2σから2σまでの範囲
95.5%
-3σから3σまでの範囲
99.7%

だからCrystalStructureでは3σの範囲で十分です。

●EXCEL関数normsdistを用いるときの注意

Z
=normsdist(Z)
意味
確率
0
0.500
0.5+0.000
0.00%
1
0.841
0.5+0.341
68.3%
2
0.977
0.5+0.477
95.5%
3
0.999
0.5+0.499
99.7%

関数normsdistをそのまま使ってしまうと
確率の値が大きくなってしまいます。
これは、半分(0.5)から始まるためです。
累積値であることに注意してください。
具体的には、0.5を引いて二倍すれば確率になります。

●EXCELを用いるときの便利な関数例

平均
=average(範囲)
正規分布
=normdist(x,μ,σ,false)
標準正規累積分布
=normsdist(Z)
標準偏差(s);標本
=stdev(範囲)
標準偏差(σ);母集団
=stdevp(範囲)

EXCELで書くときの具体例

 
A
B
C
D
E
1
10
     
2
x
250
387
399
412
3
100
=normdist($A3,B$2,$B$1,false)
 
 
 
4
101
 
 
 
 
5
102
 
 
 
 
6
103
 
 
 
 

後は、B3セルを縦横にコピーする。最後に合計(total)を忘れないように。

$A3;xは必ずA列目だから絶対座標$Aとする。
B$2;μは必ず2行目だから絶対座標$2とする。
$B$1;σは必ずB1だから絶対座標$B$1とする。
false;もしもtrueにすると関数は累積になる。

このページ作成のメモ

母集団の平均は、標本から得られた平均の分布の平均に一致する。
母集団の標準偏差は、標本から得られた平均の分布の標準偏差よりも大きい。


香川大学工学部材料創造工学科 石井知彦