第8回
2013年度DV-Xα夏の学校



(オリジナルサイズのダウンロードはこちら、2.7 MB)


 第八回のDV-Xα夏の学校が終了いたしました。昨年と同じく八王子の大学セミナーハウスで開催いたしましたが、9月になってもまだまだ暑く、例年と同じく気持ちが若い熱心な参加者の方々に集まって頂きました。


参加者リストと写真


概要

DV-Xα研究協会第八回夏の学校:「量子材料科学」セミナー

主催

DV-Xα研究協会(HP)

協賛(予定)

公益社団法人日本化学会 (HP)
錯体化学会 (HP)
社団法人日本鉄鋼協会 (HP)
公益社団法人日本表面科学会 (HP)
日本鉱物科学会 (HP)
公益社団法人日本材料学会 (HP)
社団法人電気化学会 (HP)
日本希土類学会 (HP)
一般社団法人日本原子力学会 (HP)
日本結晶学会 (HP)
社団法人日本金属学会 (HP)
ナノ学会 (HP)
フラーレン・ナノチューブ・グラフェン学会 (HP)
社団法人高分子学会 (HP)
日本結晶成長学会 (HP)
日本生物物理学会 (HP)
日本素材物性学会 (HP)
日本放射線化学会 (HP)
日本材料科学会 (HP)ほか

対象

学部生・大学院生と若手研究者(30名まで)

日時

平成25年9月10日(火)午後1時から14日(土)正午まで(4泊5日)

場所

大学セミナーハウス(八王子セミナーハウス)(HP)
〒192-0372 東京都八王子市下柚木1987-1(場所はこちら)(マピオン)
電話:042-676-8511
京王線北野駅北口3番バス乗り場から、京王バス「南大沢駅行き」または
「由木折返場行き」で10分、「野猿峠」停留所下車、停留所より徒歩5分。
京王線北野駅からタクシー5分
(アクセスについては、こちらをご覧下さい(HP))

講師

足立裕彦(京都大学名誉教授)
森永正彦(名古屋大学名誉教授)
石井知彦(香川大学教授)

内容

1.序論
2.原子構造理論と電子状態計算の実習
3.分子軌道論と簡単な分子の軌道計算
4.金属錯体の電子状態計算と化学結合論
5.セラミックス、金属材料の量子化学

費用

参加費(食費、宿泊費、資料代込み)
(食費は10日の夕食から14日の昼食まで12食を含む)
学生 45,000円
一般 60,000円 (DV-Xα研究協会又は協賛学協会の正会員)
70,000円 (非会員)

※計算実習を行うので各自パソコンを持参のこと。

振込先

(1)または(2)のいずれかの口座に、8月31日までに
振込をお願いします。また、振り込みましたら事務局または
石井までお知らせ頂けましたら幸いです。

(1) 郵便局の振替口座

通信欄に「夏の学校参加費」と書いて郵便局窓口で振り込んで下さい。

振込先:DV−Xα研究協会 01010-5-52330

(2) 銀行の口座

京都銀行銀閣寺支店 普通 3250955 DV−Xα研究協会 代表 脇田久伸

申込締め切り

平成25年8月31日(土)
宿泊施設の都合で、先着30名までで締め切らせていただきます。
なお、準備の都合がありますので、できるだけ早く
申し込んで頂けましたら幸いです。

申込先

〒520-0016 滋賀県大津市比叡平3丁目53-12
DV-Xα研究協会事務局
Tel & Fax: 077-529-0374
e-mail: dvxa@e-mail.jp
申し込みは、メールでお願いします。

問い合わせ先

〒761-0396 香川県高松市林町2217-20
香川大学工学部材料創造工学科
石井知彦
Tel & Fax: 087-864-2414
e-mail: tishii@eng.kagawa-u.ac.jp


第八回夏の学校「量子材料科学セミナー」実施報告

香川大学工学部 石井知彦

 DV-Xα研究協会では、毎年夏に、若手の研究者と大学生・院生を対象とした夏の学校「量子材料科学セミナー」を開催しています。八年目の今回も、昨年とても便利だった八王子セミナーハウスを再びお借りいたしました。

 八王子セミナーハウスは、東京近郊の数十の大学が協力し合って運営しているセミナー施設で、協力校だけでなく全国の大学や小中学・高校、および一般企業の方など誰でも使用することが出来ます。昔から特に各種夏の学校の開催には定評があり、私たちのDV-Xα夏の学校の開催期間中も様々な団体がセミナーを開催していました。ここの夕食は、値段の割には質が高く、体育会系の大学生でもきっと満足するであろうと思われる量でした。

 今回のセミナーは、大学セミナーハウスの中で最も新しい「さくら館」と言う建物で行われました。三階建てなのですがエレベーターが付いていたり、宿泊室のドアがカードキーになっていたりと、他の建物に比べると設備が新しく快適でした。宿泊は、さくら館と松下館という建物に分かれました。松下館は、それぞれの宿泊部屋が螺旋状に繋がっており、奇抜なデザインでした。セミナーの話に戻りますが、足立先生の講義は量子材料科学の基礎(座学)と応用(演習)とを交互に繰り返して進められ、どちらかに偏ることなくバランス良く行われました。足立先生は、朝9時から夕方6時まで、5日間連続で講義を行います。一切疲れを見せることなく常に熱心に講義を行って下さいました。4日目の夕方には、森永先生からも講演を頂きました。私は、第7章、第8章、第9章を担当する予定でした。しかし、不覚にも体調を壊してしまい、途中で足立先生に交代して頂きました。参加者の皆様には、本当にご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。

 夏の学校では、毎年、「夜の学校」というイベントが行われています。これは、夕食後、深夜12時頃まで、お酒を飲みながら講師と参加者の皆さんとで歓談を行うと言うものです。大学セミナーハウスは、八王子の野猿峠という山の中にあるため、近隣にはスーパーもコンビニも何もなく、お酒と食べ物の買い出しには、今年も堀之内駅前のスーパー三和まで出かけました。買い出しの際に車を出して下さった吉村文孝さん、鈴木常生先生、下山巌さんには、お礼を申し上げます。特に下山さんには、私が通院する際に南大沢の病院まで連れて行って下さり、本当に助かりました。ありがとうございました。

 今年は、例年に比べると参加者の数がやや少なかったのですが、幅広い分野の幅広い年齢層の方々に集まって頂きました。皆さん本当に気持ちが若く、DV-Xα法と言う計算手法が、日本全国で大勢の方々に利用されていることを改めて実感しました。来年の開催場所は未定ですが、出来るだけ早い時期に場所と日時を決定させたいと思っています。とても熱い、滅多に体験できない「熱い夏」を、まだ体験していない方は、2014年の夏に是非ご参加下さい。参加資格はただ一つ、「気持ちが若い方」となっております。是非一度、下記のホームページをご覧下さい。(夏の学校の公式ホームページは、
http://www.eng.kagawa-u.ac.jp/~tishii/Lab/DVSummerSchool/
です)。

 最後に、申込の時点から退出の時まで、とても丁寧に対応して下さった八王子大学セミナーハウスの宿泊係の皆様には、心から感謝いたします。


※夏の学校の概要

 この夏の学校では、内容がDV-Xα法の理論や応用に偏るということはなく、全般を通して量子材料科学の基本をじっくりと学ぶためのスケジュールが組まれています。足立裕彦先生が作られた教科書は12章、プラス付録16章から構成されていますが、森永正彦先生の講義を含めて5日間の夏の学校の期間内で全てを網羅できるようなカリキュラムになっています。他にも、パソコンを用いた計算実習の時間がたっぷりと盛り込まれています。足立先生の教科書は付録も充実しており、角運動量・Noumerovの方法・DIRACFGの使い方・分子の対称性・軌道の混成・分子軌道計算の実際・電子分光・イオン結晶中の静電場・原子間距離・原子軌道の重なり積分・スピン分極・Xα法における交換ポテンシャル・原子核近傍の電子構造、LagrangeおよびHamilton方程式、摂動論、スレーターの遷移状態法なども詳しく学ぶことができます。大学の授業や研究室での議論は、どうしても物質も現象も限られていて、狭い知識しか学ぶことができないのですが、この夏の学校では、あらゆる物質や現象に共通する量子材料科学とその電子論を基本から学ぶことができるため、個々の独立した知識を互いの関連性と結びつけながら理解を深めていくことができます。しかも5日間というある程度まとまった期間で集中的に学習できるため、効率よく、あらゆるジャンルの知識を身につけることができます。もしも独学で教科書を読んでいたら一年や二年かかってしまう内容が、5日間という短期間で集中して勉強できるということが最大のメリットです。

 とても熱い、滅多に体験できない「熱い夏」を、まだ体験していない方は、2014年の夏の学校に是非ご参加下さい。参加資格はただ一つ、「気持ちが若い方」となっております。


DV-Xα夏の学校のホームページ
http://www.eng.kagawa-u.ac.jp/~tishii/Lab/DVSummerSchool/