第6回
2011年度DV-Xα夏の学校



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 第六回DV-Xα夏の学校が終了いたしました。今年は九州での初めての開催となりました。緑に囲まれた美しくすばらしい環境のもと、気持ちよく五日間のセミナーを終えることが出来ました。参加者の皆様は、大変お疲れ様でした。


参加者リストと写真


概要

DV-Xα研究協会第六回夏の学校:「量子材料科学」セミナー

主催

DV-Xα研究協会(HP)

協賛

公益社団法人日本化学会 (HP)
錯体化学会 (HP)
社団法人日本鉄鋼協会 (HP)
社団法人日本表面科学会 (HP)
日本鉱物科学会 (HP)
公益社団法人日本材料学会 (HP)
社団法人電気化学会 (HP)
日本希土類学会 (HP)
一般社団法人日本原子力学会 (HP)
日本結晶学会 (HP)
社団法人日本金属学会 (HP)
ナノ学会 (HP)
フラーレン・ナノチューブ・グラフェン学会 (HP)
社団法人高分子学会 (HP)
日本結晶成長学会 (HP)
日本生物物理学会 (HP)
日本素材物性学会 (HP)
日本放射線化学会 (HP)
日本材料科学会 (HP)ほか

対象

学部生・大学院生と若手研究者(30名まで)

日時

平成23年9月4日(日)午後1時から8日(木)正午まで(4泊5日)

場所

宗像グローバルアリーナ(HP)
〒811-4153 福岡県宗像市吉留46-1(場所はこちら)(マピオン)
電話:0940-33-8400
(アクセスについては、こちらをご覧下さい(HP))

講師

足立裕彦(京都大学名誉教授)
森永正彦(名古屋大学名誉教授)
石井知彦(香川大学教授)

内容

1.序論
2.原子構造理論と電子状態計算の実習
3.分子軌道論と簡単な分子の軌道計算
4.金属錯体の電子状態計算と化学結合論
5.セラミックス、金属材料の量子化学

費用

参加費(食費、宿泊費、資料代込み)
(食費は4日の夕食から8日の昼食まで12食を含む)
学生 40,000円
一般 55,000円 (DV-Xα研究協会又は協賛学協会の正会員)
65,000円 (非会員)

※計算実習を行うので各自パソコンを持参のこと。

申込締め切り

平成23年8月24日(水)
宿泊施設の都合で、先着30名までで締め切らせていただきます。
なお、準備の都合がありますので、できるだけ早く
申し込んで頂けましたら幸いです。

申込先

〒520-0016 滋賀県大津市比叡平3丁目53-12
DV-Xα研究協会事務局
Tel & Fax: 077-529-0374
e-mail: dvxa@e-mail.jp
申し込みは、メールでお願いします。

問い合わせ先

〒761-0396 香川県高松市林町2217-20
香川大学工学部材料創造工学科
石井知彦
Tel & Fax: 087-864-2414
e-mail: tishii@eng.kagawa-u.ac.jp


第六回夏の学校「量子材料科学セミナー」実施報告

香川大学工学部 石井知彦

 DV-Xα研究協会では、毎年夏に、若手の研究者と大学生・院生を対象とした夏の学校「量子材料科学セミナー」を開催しています。六年目の今回は、初めて九州で開催いたしました。九州地区での開催に当たり、会場探しから様々な交渉まで、全てを行って下さった福岡大学の脇田先生と栗崎先生のお二人に心から感謝いたします。

 今回の会場となった宗像グローバルアリーナは、まだ出来て10年足らずのとても美しくきれいな運動施設でした。主にスポーツサークルの合宿に使われるという事ですが、私たちが夏の学校を行っている間にも、文化系や体育会系のサークル、部活、小学校の遠足、サッカー大会、高校の体育祭など、様々な団体の行事や宿泊と一緒でした。ロッジと呼ばれる独立した建物ごとに宿泊施設やミーティングルームが設置してあり、それぞれの団体ごとに互いに独立に活動を行う事が出来ます。この施設は、福岡大学とも深い繋がりがあると言うことで、今回様々なサービスを頂きました。

 今年から、講義を足立先生が担当され、実習を少しだけ石井が担当するという分担を試みました。実習はほんのわずかの時間だったのですが、それでも一通り行った後は全身から疲れがわき上がってきました。足立先生の講義は、その実習の何倍もの長い時間と密度の濃い内容を行っており、5日間倒れずに講義を続けている様子を拝見しますと、改めて足立先生のすばらしさを感じました。恒例となっている夜の飲み会も、宿泊者が自由に使えるレスティングルームという場所をお借りして、毎晩遅くまで行われました。福岡大学の奈木野様には、毎日買い出しのために車を出して頂きました。本当にありがとうございました。今回は参加者の自己紹介や研究紹介などを含めた、簡単なプレゼンテーションも行ってもらいました。来年度からは、本格的に参加者のプレゼンテーションを行っていただこうと思っています。

 来年の場所は未定ですが、出来るだけ早い時期に場所と日時を決定させたいと思っています。とても熱い、滅多に体験できない「熱い夏」を、まだ体験していない方は、2012年の夏に是非ご参加下さい。参加資格はただ一つ、「気持ちが若い方」となっております。是非一度、下記のホームページをご覧下さい。(夏の学校の公式ホームページは、http://www.eng.kagawa-u.ac.jp/~tishii/Lab/DVSummerSchool/です)。

 最後に、大変親切にして下さった、宗像グローバルアリーナの皆様に、心から感謝いたします。


※夏の学校の概要

 この夏の学校では、内容がDV-Xα法の理論や応用に偏るということはなく、全般を通して量子材料科学の基本をじっくりと学ぶためのスケジュールが組まれています。足立裕彦先生が作られた教科書は12章、プラス付録16章から構成されていますが、森永正彦先生の講義を含めて5日間の夏の学校の期間内で全てを網羅できるようなカリキュラムになっています。他にも、パソコンを用いた計算実習の時間がたっぷりと盛り込まれています。足立先生の教科書は付録も充実しており、角運動量・Noumerovの方法・DIRACFGの使い方・分子の対称性・軌道の混成・分子軌道計算の実際・電子分光・イオン結晶中の静電場・原子間距離・原子軌道の重なり積分・スピン分極・Xα法における交換ポテンシャル・原子核近傍の電子構造、LagrangeおよびHamilton方程式、摂動論、スレーターの遷移状態法なども詳しく学ぶことができます。大学の授業や研究室での議論は、どうしても物質も現象も限られていて、狭い知識しか学ぶことができないのですが、この夏の学校では、あらゆる物質や現象に共通する量子材料科学とその電子論を基本から学ぶことができるため、個々の独立した知識を互いの関連性と結びつけながら理解を深めていくことができます。しかも5日間というある程度まとまった期間で集中的に学習できるため、効率よく、あらゆるジャンルの知識を身につけることができます。もしも独学で教科書を読んでいたら一年や二年かかってしまう内容が、5日間という短期間で集中して勉強できるということが最大のメリットです。


DV-Xα夏の学校のホームページ
http://www.eng.kagawa-u.ac.jp/~tishii/Lab/DVSummerSchool/