本学科では、3年生の秋から研究室に配属になります。配属されれば、いよいよ、本格的な研究生活が始まります。これまでは、授業・演習・実習を通じて色々なことを学んできたと思いますが、基本的には、すでに用意されたプログラムに従って、メニューをこなすというスタイルであったと思います。 研究という行為は根本的に異なります。誰もやったことがない事に取り組むのです。新しい価値を創造するのです。 現在、科学・技術の研究開発はグローバル化し、世界レベルので競争が展開されています。大学も大企業も地域の産業もこの状況の中で生き残りを図らねばなりません。そのような状況で求められている人材はどのようなものなのか、また、専門家(研究者・技術者)の果たすべき役割とは何かについて、深く考える必要があります。 地球環境を守りつつ、豊かな文明社会を築き、人類の持続的な発展を可能にするためには、科学・技術が不可欠です。地域社会の健全の発展のためには、科学・技術による新産業の振興が大きな意味を持っています。 我々専門家(研究者・技術者)が、「新しい価値を創造する」ことこそが、人類の未来と地域社会の発展に求められていることです。 卒業研究の最大の目的は、研究を通じて「価値の創造」の訓練を行うことにあります。 |
材料創造工学科には、世界的に高い評価を得ている研究室が多数あり、各研究室では世界の最先端の研究が展開されています。 |
有機化学をベースに、新しい機能性材料の開発に取り組んでいます。 |
舟橋研究室で行われている研究 |
鈴木カップリング反応(2010年ノーベル化学賞)を用いて液晶性半導体を合成しました。分子構造は核磁気共鳴スペクトル (NMR)や赤外吸収スペクトルで確認します。 |
n-型液晶性半導体の合成。フラスコの中に必要な試薬を入れて加熱します。酸素や水を遮断するため、窒素雰囲気下で反応を行います。反応後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより粗生成物を精製します。シリカゲルに対する吸着能の差を利用して、精製します。 |
レーザーを使って液晶性半導体の物性を測定します。偏光顕微鏡で光学組織を観察します。研究室で合成した液晶の偏光顕微鏡写真 映っている学生諸君は、当研究室の第1期生です。 |
当研究室は有機化学の研究室ですが、物性測定でも国際的に高い評価を得ております。(a) TOF法(測定装置は自作)によるキャリア移動度の測定 (b) X線回折による超分子液晶の構造評価(温度可変測定装置は自作) (c) 強誘電性液晶の自発分極の評価(測定装置は自作) |