大学について

平成13年12月16日現在


 ドイツの大学は、日本と比べて非常に長い歴史を持っています。最も古いのは、ハイデルベルグ大学ですが、その他にも様々な大学があります。主な大学を古い順にあげますと、以下のようになります。

ドイツの大学の多くは、大学の名前に人名を当てています(ドイツの電車の名前もそうでした)。
   「フランクフルト大学はどこですか?」
   「ああ、ゲーテ大学のことだね?」
   「違います。フランクフルト大学です。」
   「だから、ゲーテ大学だろ?」
と言う会話が、しばしば見られます。その理由は、下記の通りです。

学問の大系がとてもしっかりとしており、これまでに数多くのノーベル賞受賞者を生み出してきました。もちろんノーベル賞授与が始まる1901年以前から、様々な学問の分野でリードしています。

ドイツ人のノーベル賞受賞者

受賞年度

物理学賞

化学賞

医学 生理学賞

文学賞

平和賞

経済学賞
1901 レントゲン ベーリング
1902 E.フィッシャー モムゼン
1905 レーナルト バイアー コッホ
1907 ブーフナー
1908 エールリヒ オイケン
1909 ブラウン オストバルト
1910 バラッハ コッセル ハイゼ
1911 ウィーン
1912 ハウプトマン
1914 ラウエ
1915 ビルシュテター
1918 プランク ハーバー
1919 シュタルク
1920 ネルンスト
1922 マイエルホーフ
1925 J.フランク ジーグモンティー
ヘルツ
1926 シュトレーゼマン
1927 ビーラント クビッデ
1928 ビンダウス
1929 マン
1930 H.フィッシャー
1931 ボッシュ バールブルク
ベルギウス
1932 ハイゼンベルク
1935 シュペーマン オシーツキ
1938 クーン
1939 ブーテナント ドーマク
1944 ハーン
1946 ヘッセ
1950 ディールス
アルダー
1953 シュタウディンガー
1954 ボーテ
1956 フォルスマン
1961 メスバウアー
1963 イエンゼン ツィーグラー
1964 リネン
1967 アイゲン
1971 ブラント
1972 ベル
1973 E.O.フィッシャー フリッシュ
1979 ビティッヒ
1984 ケラー
1985 クリッツィンク
1986 ルスカ
ビーニッヒ
1987 ベドノルツ
1988 ダイゼンフォーファー
フーバー
ミヘル
1989 パウル
1991 ネーアー
ザクマン
1994 ゼルテン
1995 クルッツェン ニュスライン=フォルハルト
1998 シュテルマー
1999 グラス
2000 クレーマー

 さて一方日本では、情けないことに、ノーベル賞を取ろうとする気持ちばかりが先走ってしまい、今回のノーベル賞100年記念式典でも、あまりにも露骨なロビー活動に、各国から避難されているようです。下記がそのニュース(01/12/16)です。日本にも、もちろん優秀な研究者は数多くおり、特にロビー活動を必要としなくとも、日本人のノーベル賞受賞者は次第に増えてゆくと思います。

<ノーベル賞>日本のロビー活動にスウェーデン怒る 英紙報道
 16日付の英日曜紙オブザーバーは、日本政府が「50年間にノーベル賞受賞者30人」を目標に掲げ、ストックホルムに宣伝工作の事務所を設置したり、ノーベル賞関係者の日本招待旅行を計画したことがスウェーデンの関係者を怒らせていると報じた。日本が「独創性のない模倣者」という国際イメージを非常に気にしていることが背景にあるとしている。

 記事は「学界では前代未聞」の日本の強引なロビー活動や「金をばらまく」やり方を批判的に取り上げ、日本が電気製品や自動車で世界市場を支配しているのに、自然科学分野のノーベル賞受賞者は100年間で「たった6人」しかおらず、人口が半分以下の英国の「70人」と比べ、際立って少ないことを強調した。

 さらにノーベル賞受賞者の少なさは(1)高齢のボス教授が支配する大学の講座制から若い研究者が逃れるには海外に行くしかない(2)画一性と反復重視の教育――など創造性を欠如させる国内制度が真の原因だとする意見を紹介した。(ロンドン共同)(毎日新聞)