香川大学 創造工学部オープンキャンパス
IoTを試してみよう

1モノのインターネットとLPWA

モノのインターネット(IoT: Internet of Things)

モノのインターネットとは,様々な「モノ」がインターネットに接続され,情報交換することにより相互に制御する仕組みである(Wikipediaより).

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LPWA

IoTは,多種多様なアプリケーションの通信ニーズに対応することが求められる. このうち,従来よりも低消費電力,広いカバーエリア,低コストの通信を担うのが,LPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる技術である. LPWAの通信速度は数kbpsから数百kbps程度と携帯電話システムと比較して低速なものの,一般的な電池で数年以上運用可能な省電力性や,数kmから数十kmもの通信が可能な広域性を有している.

2IoTを試してみよう

下の写真は,センサー(本写真では温度・湿度センサ)をラズベリーペイ経由で,LoRaモジュールに接続している. 接続されたLoRaモジュールより,温度,湿度を送信する.

本来は送信機,受信機ともに固定し,温度・湿度はそれほど急激に変化しないため,送信周期は1時間以上あけておくるものである. ここでは,電波環境を知るため,送信機を少し動かして受信電力(RSSI:Reference Signal Strength Indicator)を測定した. 下の写真は前述の送信側とともに,受信側も示す. 受信側では,LoRaモジュールがパソコンに接続され,センサの測定結果と受信電力を表示する.

無線の特性を理解するため,受信アンテナを変化させたときの,受信電力の変化について以下の動画で示す.

この結果を見てわかるように,少し場所を動かすだけで,大きく受信電力が変化していることがわかる.

3どうして電波の強度が変わるのか

下図にあるような簡単な場合,すなわち,センサが接続された送信機から送信された電波は以下の2通りの経路をたどって受信機に到達する場合について考える.

下のグラフに,直接波,反射波に加え,二つの電波が合成された受信する電波を(赤色)で示す. 横軸は位置を示し,縦軸は受信した電波の振動(大きいほど強い電波であることを示す)を示す. グラフを見てわかるように,受信する電波が大きく振動する場所とほとんど振動しない場所がある. 従って,場所によって強く受信する場所としない場所がある.

実際には,様々な経路を通り受信される. 更に,人・車が移動することによって環境が変わることで,経路自体が変化するため,非常に複雑である.